すそわきがの臭いの原因 正しい対策のために原因を知る

すそわきが原因

女性の気をつけたい身だしなみランキングでも、かなり上位に食い込むのが体臭ですよね。なんと言っても臭いは離れていても気付かれてしまいます。「あれ?この女性変な臭いがする。」なんて思われたら致命的です。しかも、それがデリケートゾーンから臭うとなったら、恥ずかしくて外も歩けません。

デリケートゾーンの臭いの中でもすそわきがは、おりものや経血の臭いをさらに複雑にするやっかいものです。すそわきがの臭いの原因は、アポクリン汗腺が発達していることが大きくかかわっているので、すそわきがを簡単に解消することはできません。

そのため、自分でできるすそわきがの対策は、臭いを低減することに特化されます。そこで、すそわきがの臭いを低減するためには、すそわきがの臭いの原因を詳しく知ることが重要です。原因を詳しく知ったうえで対策することで、すそわきがの臭いを抑えることができます。

ここではすそわきがの原因や臭いがきつくなる原因を詳しく解説していきます。

エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違い

すそわきが汗腺

すそわきが(外陰部臭症)の臭いの原因を知るうえで、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違いを知っておく必要があります。汗腺というのは、汗を分泌する管のようなものです。

簡単に違いを説明すると、エクリン線は全身に存在し、皮膚表面に直接汗の排出口があります。アポクリン腺は身体の特定部位に集中して存在し、毛穴の奥に汗の排出口があります。

この2つの汗腺から分泌される汗は、違う役割を持っているので詳しく見ていきます。

アポエクリン汗腺

汗腺にはもう一つ、アポエクリン汗腺というものがあります。アポエクリン汗腺は、汗の成分はアポクリン汗に近く、汗腺の構造はエクリン腺に近いもので、皮膚表面に直接汗の分泌口があります。

エクリン汗腺の特徴と役割

エクリン汗腺は、表皮に汗の分泌口があり、主に体温調節のために汗を分泌しています。私たちが日常的に「汗」と呼んでいるのは、エクリン汗腺からの分泌液です。高温下にいる時や運動時に発汗し、体温を一定に保つ働きがあります。

その他、冷や汗のように極度の緊張や恐怖などで発汗する精神性発汗や、辛い食べ物など刺激物を食べた時に発汗する味覚性発汗などでもエクリン汗腺から汗が分泌されます。

エクリン汗の成分は99%以上が水分で、尿酸やアンモニアなどが微量に含まれています。本来エクリン汗は水分と塩分が主成分なのですが、排出されるまでに塩分は再吸収されていくので、体外に分泌されるのはほとんどが水分となります。

でも、汗って塩辛いイメージがありますよね。これは、汗が大量に分泌される時には塩分の再吸収が間に合わないため、塩分が体外に排出されていくからです。滴るほどの汗をかく時は、大量発汗をしている時なので、塩辛く感じるというわけです。

アポクリン汗腺の特徴と役割

すそわきがと関連が深いのがアポクリン汗腺です。アボクリン汗腺の分泌口は、毛穴の奥の毛包部分にあり、外耳道、鼻翼、わきの下、乳輪、へそ周り、外陰部に集中してアポクリン汗腺が存在します。

アポクリン汗の分泌にエクリン汗のような体温調節の働きはなく、精神的刺激によって発汗します。持続的に多く発汗するのもアポクリン汗の特徴です。また、女性の場合、月経周期によってアポクリン汗が活発に分泌される時期もあり、月経期や妊娠前に活発になります。

アポクリン汗の成分は、エクリン汗の成分に加え脂質とタンパク質が含まれます。そのため、汗は無色透明ではなく乳白色や黄色っぽく見えます。このアポクリン汗に脂質とタンパク質が含まれることが、すそわきがの原因の一つになります。

すそわきがの臭いは何の臭い?

すそわきがはなぜ臭うのでしょうか?すそわきが臭うのは、アポクリン汗腺から分泌された汗を皮膚常在菌が分解することで発生する脂肪酸のせいです。従って、アポクリン汗がもともと臭いわけではありません。アポクリン汗と皮膚常在菌がセットになって、はじめてすそわきがが臭くなるわけです。

アポクリン汗腺が集中してるのは、外耳道、鼻翼、わきの下、乳輪、へそ周り、外陰部です。そのため、この各場所に皮膚常在菌が繁殖すると、すそわきがと同じ臭いがする可能性が高くなります。逆を言えば、他の場所で皮膚常在菌が繁殖しても、すそわきがのような臭いがすることはあまりありません。

わきの下や外陰部、乳輪などは、高温多湿の環境になりやすく、皮膚常在菌が繁殖しやすいので、わきがやすそわきがといった臭いトラブルが顕著に出やすいわけです。

すそわきがになる人とならない人の違いは?

すそわきがになる人とならない人の違いは、何かあるのでしょうか?まず、アポクリン汗腺の量や大きさで差が出ます。アポクリン汗腺の数は遺伝によって決まってしまいます。汗腺が多ければ、それだけ汗の分泌量が多くなるので、すそわきがになる可能性が高まります。

アポクリン汗腺は遺伝する

アポクリン汗腺の数などは遺伝が大きく影響します。両親がわきが体質の場合、子供の75%がわきが体質になり、片親がわきが体質の場合は、子供の50%がわきが体質になると言われています。

人種によっても差があります。白人は80%以上の人が、黒人ではほとんどの人がわきが体質と言われます。そのため、白人や黒人社会でわきが臭というのは、特段珍しいことではありません。一方、日本人では10%程度と少ないため、コンプレックスの原因になってしまうという側面もあります。

たとえ遺伝でアポクリン汗腺の量が多いからといって、必ずしもすそわきがになるわけではありません。エクリン汗腺にしろアポクリン汗腺にしろ、実際に分泌活動を行っている能動汗腺のというものがあります。すべての汗腺が分泌活動をしているわけではないので、どれくらいのアポクリン汗腺が能動汗腺かでも変わってきます。

さらに、両親ともすそわきが体質じゃないからといって安心もできません。アポクリン汗腺自体は誰にでもあるものです。たとえアポクリン汗腺の数が少なくても、能動汗腺が多かったり生活習慣などの影響でアポクリン汗腺が活性化すれば、すそわきがになってしまいます。

すそわきがになる可能性は、少なからず誰にでもあります。できるだけ臭わないようにするには、日常的なケアが大切です。

すそわきがの臭いの原因5つ

すそわきが原因

ここまでで、すそわきがが臭う原因をおおまかにわかっていただけたと思いますが、基本的な原因はアポクリン汗と皮膚常在菌の繁殖です。そのため、アポクリン汗を分泌させる原因と皮膚常在菌を繁殖させる原因が、すそわきがの根本的な原因になっているわけです。

  • デリケートゾーンのムレ
  • 陰部のの不衛生
  • 食習慣
  • ホルモンバランスの乱れ
  • ストレス

これらがすそわきがの根本原因です。それぞれの原因について詳しく見ていきます。

デリケートゾーンのムレ

アポクリン汗腺は外陰部に多くありますが、デリケートゾーン全体がムレやすく高温多湿になることで、菌の繁殖を助長します。

通気性の悪いナイロン製の下着を身につけたり、ストッキングやタイツなどを重ね着することで、デリケートゾーンの通気性が悪くなります。また、ナプキンやおりものシートを長時間つけているのもムレの原因になっています。

デリケートゾーンは、他の場所のように汗をかいたらこまめに拭くということができないですし、皮膚の熱がこもりやすいところです。ムレは菌の繁殖しやすい環境をわざわざ作り出して、臭いの原因を作っているような状態です。

陰部の不衛生

排泄後の拭き残しや長時間同じナプキンを使用するなど、陰部の不衛生は雑菌の繁殖を助けます。汗をかきやすいのに、すぐに洗ったり拭いたりというケアができないのもデリケートゾーンが不衛生になる要因です。

特にナプキンは、見た目で汚れていなくても雑菌が多く付着しているので、こまめに取り換える必要があります。長時間汚れたナプキンを使用していると、皮膚自体を弱くする原因にもなり、すそわきがの臭いを悪臭にする原因にもなります。

経血やおりものも雑菌の格好のエサになるので、陰部を常に清潔に保ち、すそわきがの原因の一つである雑菌を増やさないことが大切です。

食習慣

人間の身体は全て食べ物からできています。食べることによって栄養素を取り込んでいるわけです。粘膜や分泌物も、もとは取り込んだ食物からできています。

にんにくをイメージしてもらうとわかりやすいのですが、にんにくを食べた後には口臭だけでなく汗もにんにく臭くなりますよね。にんにくの成分が体内に吸収され、血流に乗って汗の成分として排出されるのですが、食べたものによって汗に含まれる成分量も変化します。

すそわきがはアポクリン汗に含まれるタンパク質や脂肪を雑菌が分解することで臭うので、乳製品や肉のような動物性のタンパク質や脂肪を摂ると臭いが強くなりやすいです。また、肥満によって皮下脂肪が多くなるとアポクリン汗腺が活発に働くようになるので、すそわきがの臭いを強くする原因になってしまいます。

近年は食生活が欧米化しているので、肉や脂を摂ることが多くなっています。すそわきがの人は、食生活を和食中心にするだけでも、臭いを抑える手助けになるはずです。

ホルモンバランスの乱れ

女性の身体はホルモンバランスが大きく関わっています。月経周期に合わせ、2種類の女性ホルモンの分泌がバランスよく行われることで、女性らしさを保っています。しかし、非常に繊細なのでストレスや睡眠不足などでも、バランスが乱れてしまうことがあります。

ホルモンバランスの乱れは、体調不良を招き菌の繁殖を助けます。身体の抵抗力が弱まってしまうことになり、すそわきがの臭いも一時的に強くなることがあります。また、ホルモンバランスの変化は、アポクリン汗腺の働きを活発にするので、すそわきがの臭いも強くなります。

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。そのため、このタイミングですそわきがに気付くという女性も珍しくありません。しかし、妊娠時はすそわきがより胎児のことを一番に考えたいものです。出産後にはすそわきがの臭いも治まる傾向にあるので、気にし過ぎないことが大切です。

ストレス

ストレスは男性ホルモンを増やし、汗の分泌を促したり皮脂を増やしたりすることで、すそわきがの臭いを強くする原因になっています。また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、自律神経と密接な関係にあるホルモンバランスを乱す原因にもなってしまい、すそわきがの臭いを強くすることがあります。

ストレスには、精神的ストレスだけでなく、身体に過剰な負荷がかかった肉体的ストレスも含まれます。アポクリン汗は、主に精神的刺激による発汗が行われるので、肉体的ストレスを感じた時にアドレナリンの高揚がきっかけとなって発汗が増え、すそわきがの臭いが強くなるということもあります。

過剰なストレスは、すそわきがに限らずいいことないです。適度な発散を心がけておきましょう。

すそわきがセルフケア

すそわきがの臭い対策 セルフケアでスッキリ

2017年7月18日