デリケートゾーンに「しこり」が!原因と対処法

デリケートゾーンしこり

デリケートゾーンの「しこり」に気付くと、なにか大事のような気がして慌ててしまいがちです。痛みやかゆみのないしこりは、なんとなくデリケートゾーンを洗っていたら、あれ?と違和感がして初めて気づくといったケースがほとんどです。

小さければまだしも、気付いた時にはすでに数センチくらいになっていることもあり、そんな大きなしこりを見つけた時にはもうビックリで、変な病気にかかってないか心配になります。

あなたが一番知りたいのは、おそらく「放置しても大丈夫なのか?」ということではないですか?放っておいて治るものなのか、それとも病院に行かなければ治らないのか。もちろん、病院に行って診てもらうのが一番ですが、デリケートゾーンのこととなると恥ずかしさもあり、できれば行きたくないというのが本音でしょう。

デリケートゾーンにできやすい「しこり」にはいくつかの種類があり、放置して治ってしまうものもあれば、治りはしないけど放置してても問題ないもの、放置しておくと大事になってしまうものもあります。

デリケートゾーンの「しこり」でいちいち慌てないように、原因や対処法を見ていきます。

デリケートゾーンの「しこり」にはどんなものがある?

デリケートゾーンにできる「しこり」で考えられる原因には、次のようなものがあります。

  • 毛嚢炎
  • 粉瘤
  • 脂肪腫
  • 尖圭コンジローマ
  • バルトリン腺嚢胞(バルトリン腺膿瘍)
  • 外陰がん

単純に「できもの」のこともありますが、症状によっては「がん」の可能性もあるので、簡単に見過ごすわけにもいきません。

できてしまったしこりの状態や、かゆみや痛みといった他の異変と共に、どのような原因でできたしこりなのかを見極めていきましょう。

では、それぞれのしこりについて、症状や対処法をみていきます。

デリケートゾーンの「しこり」の症状や対処法

デリケートゾーンにできやすいしこりについて、それぞれの原因や症状、対処法などを解説していきます。たとえ放置して大きな問題にならないしこりでも、自己判断せず病院で診てもらうのが基本です。

毛嚢炎

毛嚢炎は、毛穴の奥の毛包に傷が付き、その傷からブドウ球菌という皮膚常在菌が入り込んでしまうことで起こる感染症です。

赤いブツブツのようなものができ、悪化すると芯を持ったしこりのようになります。ちょうどニキビのような見た目をしていてニキビと勘違いしやすいのですが、原因がニキビとは違うのでニキビケア商品などを使用すると悪化することもあるので注意が必要です。

デリケートゾーンにできる毛嚢炎は、痛みやかゆみを伴うことは比較的少なく、軽度であれば放っておいても治ってしまいます。ただ、症状が悪化すると膿んでしまったり痛みやかゆみも感じられるようになります。そうした場合には、抗生剤や切開などの治療が必要になります。

デリケートゾーンが毛嚢炎になりやすいのは、通気性が悪く高温多湿になりやすいので雑菌が繁殖しやすいことや、陰部のセルフケアで皮膚を傷つけやすいといったことがあります。

正しいデリケートゾーンケアで陰部を清潔に保ち、通気性の良いものを身につけ、雑菌や肌ストレスからデリケートゾーンを守ることが毛嚢炎の予防につながります。

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粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤はアテロームとも言われ、皮膚の良性腫瘍という位置づけになっているしこりです。粉瘤ができる原因は、実は解明されていません。いろいろな説はあるようですが、ハッキリしていないというのが現状です。しかし、皮膚の良性腫瘍の中で発生率が高いのが、この粉瘤です。

見た目は半球状のできもので、中央付近に黒い点のような開口部があります。耳の裏や背中、お尻などにできやすく、皮膚内部に袋が形成され、そこに角質や皮脂などの老廃物が溜まってしこりになります。粉瘤が小さければ痛みもなく、放置していても害にはなりませんが、大きくなってしまったり、細菌が感染して炎症を起こすと腫れや強い痛みを伴う場合があります。

粉瘤は放置しても治ることはありません。粉瘤の中心に開口部があり、そこから中に溜まった老廃物が出て一時的に小さくなることはありますが、また老廃物が溜まってしこりができてしまいます。ちなみに出てくる老廃物は、ドロッとしていて臭い液体です。

粉瘤を治すには、皮膚内側の袋を取り除かなければならないので、手術が必要になります。大きな手術ではないので、腫れや痛みが無いからと放置せず、ひどくなる前に治しておきましょう。

脂肪種

脂肪種は、良性腫瘍で脂肪組織の塊です。見た目は半球状のこぶのような状態で、皮下にできるので表面は肌色のままです。触ると柔らかく弾力があり、ぷにぷにしています。こちらも原因が解明されていません。

良性の腫瘍ですし、痛みやかゆみが感じられるわけではないので放置しても問題ありません。ただ、だんだん大きくなりますし、ビキニラインなどにできると圧迫を受けて痛みを伴うようになってしまうこともあるので、デリケートゾーンにできた脂肪種は早めに対処してしまった方が良さそうです。

脂肪種を治すには手術が必要になります。切開して腫瘍細胞を取り除くことで完治し、再発することもなくなります。大きくなればなるほど、切開の幅が広がって傷が目立ってしまうので、放置せずに気付いたらすぐ治してしまいましょう。

尖圭(せんけい)コンジローマ

尖圭コンジローマは、にわとりのとさかや乳首のような形をしたしこりが性器周辺にできる性感染症です。良性のヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で、あらゆる性交渉(セックス、アナルセックス、オーラルセックスなど)で感染します。

尖圭コンジローマができるHPVは良性のものですが、悪性のHPVも同時感染している可能性もあります。痛みやかゆみがほとんどないので放っておきたくなりますが、放置するとイボが増えていき処置も大がかりになるので、早めに病院を受診しましょう。

イボの切除が主な治療ですが、治療をしても再発率が高いのも尖圭コンジローマの特徴です。また、オーラルセックスでも感染するので口腔内に症状が出ることもあります。さらに、出産時に赤ちゃんに感染することもあるので、出産前には完治させておく必要があります。

ご自身が異変に気付いた時は、パートナーにも高い確率で感染しています。尖圭コンジローマは潜伏期間の長い感染症なので、自覚症状がなくても病院の受診をすすめるようにしましょう。

パートナーに性病の心当たりがあるかなど、デリカシーの無いこと聞くわけにもいかないので予防は難しいところですが、少なくともコンドームをつけるだけでもリスクは軽減されます。

バルトリン腺嚢胞(バルトリン腺膿瘍)

バルトリン腺嚢胞は、バルトリン腺が何らかの要因で詰まり、嚢胞ができるしこりです。バルトリン腺は膣口から陰核を12時として5時と7時の方向の皮下にある管で、性交時に必要な潤滑液を分泌する腺です。この位置にしこりが感じられたり、小陰唇の形が腫れてアンバランスな場合にはバルトリン腺嚢胞が疑われます。

痛みやかゆみはあまり感じませんが、嚢胞が大きくなると歩く・座るなど、日常の行動でも違和感を感じるようになりますし、性交にも支障をきたすようになります。また、ひどくなると強い痛みを感じることもあります。

もしバルトリン腺嚢胞が疑われる場合は、温座浴を試してみましょう。浴槽などにお湯を張り、10~15分程度患部を浸します。これを1日3~4回数日間続けると嚢胞が消えます。温座浴をしても改善しない場合は、病院受診するようにしてください。

バルトリン腺が詰まる原因はハッキリしていません。また、再発しやすい症状なので、温座浴で改善しない時はすぐに病院を受診するのが最善策です。

外陰がん

外陰がんは、外陰部に平たく堅いしこりができ、皮膚の変色などもあることがあります。周囲にも侵潤するので痛みや出血を伴うこともあります。しこりを見つけて病院を受診することがほとんどですが、他の病気と区別しにくいため、受診した時にはすでにがんが進行していることも多いので、異変を感じたらすぐに病院へ行きましょう。

似た症状の病気もありますが、早期発見、早期治療が重要です。たとえ間違えても怒られることはないので、少しでも不安を感じたら恥ずかしがらずに病院で診察を受けましょう。

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